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【プリンストン便り13】University meets Community!

4月26日は大学と地域のお祭り、Communiversityが開催されました。

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去年はこの時期一時帰国していたため、私にとっては初めての参加です。

大学に沿って東西に伸びるNassau St.と、その中心あたり、ちょうど大学正門の位置から南北に伸びるWitherspoon St.が歩行者天国になりました。この大きなT字型のエリアに、食べ物やアート作品のブース、音楽演奏の特設ステージが所狭しと並びます。

Communiversityの始まりを告げるのが、Princeton University Bandの行進です。Witherspoon St.を公立図書館前から大学の正門に向かって進みます。

You Tube: Communiversity (動画)

WitherspoonとNassauの交差点で円陣を組み踊り出すメンバーたち。この日の眩しい日差しと共に、お祭り気分を盛り上げます。 

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Princeton University Bandの演奏が終わると、正門前に作られたステージで、コミュニティと大学関係者それぞれから開式の挨拶が行われました。Eisgruber学長もこの日はカジュアルな服装で登場しました。下の写真は、「音楽と食べ物を堪能しましょう!」と話しているところです。

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Nassau St.には全部で3つの特設ステージが設けられ、道を歩いていると常にどこかからか楽しげな生演奏が聞こえてきました。 

面白いアート作品のお店があったり…

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お洒落そうなフードトラックが来ていたり…

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虎のトランポリン(虎ンポリン、だ!)に行列ができていたり…

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他にも、警察や消防署の展示ブースもあり、救急車に乗せてもらえるコーナーもありました。うーん、面白そう。次から次に目移りしてしまいます。

が、ここは、うちの「食べ歩き奉行」がマップを見ながらどんどん次の屋台を案内してくれるので、「まずは食べ物確保」という方針におとなしくついてまわりました。

これがOfficial Event Guide。小さな字でお店の名前がぎっしり書かれています。

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この中からお店探すの、ちょっと面倒くさいなと思ったのですが、夫にとっては全く苦にならないようでした。

さて、やはりこれがなくては始まらない、ということで、まずはTriumphのビールを2種類購入しました。

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その後も友人夫婦も巻き込んで、ピザ、パッタイ、パエリア、ハンバーグ、と欲望のままに食べ続けました!

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ようやくお腹がいっぱいになったので、大学のキャンパスに入ってみましょう。Nassau Hall前の広いスペースもCommuniversityのために解放されており、大学関係者によるブースがたくさんあります。

真っ先に参加したのが、これ。

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プリンストン大学の若い男の子たちにパイを思いっきりぶつけて、ストレス発散してきました。

実は、大学の入り口付近で一番目立っていたのが、日本ブース!プリンストン日本人会PJAと日本人学生協会JSAとの共同ブースです。Tシャツや日本の小物販売、書道のサービスなどが行われました。

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そして実はわたくしも、折り紙ブースのお手伝いをしました!子供たちに折り紙を教えてあげるお仕事です。

鶴しか折れない私は、紙風船や手裏剣などを見つめる子供たちを言葉巧みに誘導し、ひたすら鶴の折り方を教えました。

とはいえ、お祭りが終わる頃には、私も手裏剣と紙風船が折れるようになっていました。折り紙、面白い!

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実は小物ブースで販売した折り紙も、日本人の皆さんの手作り。私も事前に友達と集まって、ちょっと折り紙したんですよ。この日の売り上げは、東北大震災のサポートに寄付されるそうです。微々たる貢献でしたが、参加できて嬉しかったです。 

とっても楽しかったCommmuniversity。

他の大学でもやっているのかな、と調べたところ、「Communiversity」のインターネット検索でたくさんの大学がヒットしました。しかし、よくよく見てみると、他の大学では教育プログラムの一環として行われているものが多く、試験・単位なしの公開授業や、学生同士の交流が目的のものが多いようです。つまり、他の大学はもうちょっと真面目ということかな(地域と大学のお祭りがあるとは聞いたことがあるので、違う名前で楽しいイベントがあるのかもしれません)。

この日は本当に歩くのが大変なくらい、老若男女問わず大勢の人が参加しました。普段は、落ち着いた大人の雰囲気があるプリンストンですが、たまにはこういうのもいいですよね!

最後に、可愛いアーティストの写真を。

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だんだんお花も散りだして、初夏の風が気持ちいい季節になってまいりました。暑くなってしまう前に、プリンストンの自然を楽しんでおこうと思います。

それではみなさま、またお会いしましょう!

 

南崎 梓@プリンストン

学部生が行く,プリンストン大学短期留学

派遣学生からの報告(2014)

理学部物理学科4年 村田 龍馬

(支援共同プロジェクト「The Todai-Princeton Astrophysics Collaboration」)

私は,今年の9月末から約2ヶ月間,同じ物理学科4年の高木隆司君と「プリンストン大学との戦略的提携基金奨学生」として,プリンストン大学宇宙物理学科 (Department of Astrophysical Sciences, Princeton Univ.) に短期留学した。目的は,研究活動とセミナーを通して宇宙物理学を学ぶこと,およびプリンストンにいる研究者や学生たちと交流することである。私は,大学院で宇宙物理学を専攻するので,一流の研究者が集うプリンストンで宇宙物理学を学べることにとても興奮していた。

研究活動では,「弱い重力レンズ効果」解析の専門家である宮武広直博士研究員と宇宙背景マイクロ波観測の分野でとても有名なD.スパーゲル (David N. Spergel) 教授の指導のもと,「弱い重力レンズ効果」の解析方法を学び,解析プログラムを開発した。この「弱い重力レンズ効果」とは,アインシュタインが大きく貢献したことで知られる一般相対論から導かれる現象である。まず,大きな質量の周りの空間が歪められる。すると,その歪められた空間を光が通ると光の進む方向が曲がる。この結果,地球から遠くにある銀河が本来の形より少し歪んだ形になり観測される。逆にこの現象を使うことで,光の通ってきた空間にどれくらいの質量があるかが推定できる。お二人に丁寧なご指導をいただき,銀河の周りにある暗黒物質の質量を見積もることができた。帰国後も開発したプログラムを基礎として,研究の対象をさらに広げていきたい。近い将来にすばる望遠鏡で得られる見込みの高解像度データを,今回開発したコードを用いて解析するなどの研究を考えている。

研究活動と同時平行に,プリンストン大学宇宙物理学科,物理学科,およびプリンストン高等研究所でのセミナーに参加した。さまざまな分野の最先端の話題に触れることができたことは嬉しかった。また,一流の物理学者がセミナー中に活発に議論する姿はとても刺激的であった。その中で一番印象的だったのは,アドバイザーでもあるスパーゲル教授である。どのセミナーでもいつも中心となって盛んな議論をしていた。彼の研究とは離れている内容のセミナーでの議論でも,彼は活発に議論しており,幅広い興味をもっていると感じた。物理学者を目指すものとして,彼にとても憧れる。彼は私の研究活動報告のさいに「自分の研究分野だけでなく,他の宇宙物理学分野も知ろうとすることは大切だ。」とアドバイスしてくれた。その言葉を忘れず勉強と研究に励み成長し,いつか研究者として彼と議論したいと強く感じた。

宇宙物理学科では,数人のプリンストン大学の大学院生と友人となった。同世代の彼らと宇宙物理学について語ったのはとても楽しかった。彼らとは,将来一緒に研究する日が来るかもしれない。さらに,教授や博士研究員,およびすばる望遠鏡に関わっている研究者を訪問し,互いに研究内容を話したのは貴重な経験だった。近い将来,彼らと日本や海外で再会する日が待ち遠しい。

最後に,この素晴らしいプログラムを支えて下さっているすべての方々に感謝したい。とくに,アメリカでの生活をサポートしてくれたホストファミリーに感謝したい。

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Murata_2 アドバイザーのD.スパーゲル (David N. Spergel) 教授(右)と緊張している筆者(左)。物理学科にて

プリンストン大学での研究交流と地震活動共同研究

派遣学生からの報告(2014)

理学系研究科地球惑星科学専攻 博士課程 1年 西川友章

派遣期間: 2014年9/22~9/26

派遣先: Allan Rubin Laboratory, Department of Geosciences, Princeton University

(支援共同プロジェクト「Analysis and modelling of tremor and slow slip」)

2014年9月22日から9月26日までの五日間、地震活動解析、地震活動シミュレーション研究において優れた研究者であるAllan Rubin教授らと研究交流、地震活動共同研究に関する会議を行うため、プリンストン大学に滞在した。 

Allan Rubin教授の研究室では、現在、巨大地震発生帯周辺で発生する「非火山性微動」の新たな精密震源決定法の開発に取り組んでおり、今回の滞在では、その震源決定法のさらなる改良や、日本の南海トラフにおける新手法の適用やその有効性などのテーマについて活発な議論を行った。また、Allan Rubin教授の研究室が得意とする地震活動シミュレーションに関して、その理論やシミュレーションのソースコードの基礎的学習も行った。 

プリンストン大学の地球科学専攻には地震学のみならず、地球物理学、地球化学など多様な専門をもつ研究者が在籍している。今回の滞在中、研究セミナーを開催し、そのような他分野の研究者たちとも交流を行った。そのセミナーおける教授、学生らの自由で活発な議論、また熱心かつ楽しげな議論の雰囲気は非常に新鮮で刺激的なものであった。互いのアイディアを気兼ねなく、様々な学問的背景をもつ研究者と交換し共有することが、世界をリードする研究につながるということを実感した。 

また、プリンストン大学の素晴らしい研究環境も強く印象に残った。広大な敷地には、湖や森林、歴史ある建築物がならび、大学構内をリスたちが自由に駆け回っていた。大学のすぐ近くには、かつてアインシュタインが所属したプリンストン高等研究所もあり、まさにこのプリンストンという場所で、学問の歴史が作られてきたのだという感慨があった。滞在中には、プリンストン大学工学部に在学する友人とも会ったが、このような美しく歴史あるキャンパスにおいて、学問に静かに没頭できる彼を非常に羨ましく思った。 

プリンストンでは、様々な有意義な議論や学習を行うとともに、世界をリードする研究機関の研究環境や雰囲気を体験することができた。今回のプリンストン大学における滞在で得た貴重な知識や体験を糧として、今後も研究に取り組んでいきたいと思う。

Nishikawa

Princeton Univ.のすぐ近くにあるDelaware and Raritan Canalにて。写真左端がRubin教授、右端が西川。

プロジェクトからの報告(2014)

プロジェクトからの報告(2014)

平地健吾 数理科学研究科・教授

(支援共同プロジェクト「Joint Research Training in Pure and Applied Mathematics」)

 2014年秋から東京大学大学院数理科学研究科はプリンストン大学数学教室との共同・研究プロジェクトを開始しました.両大学の数学者の交流は小平邦彦先生(両大学の教授を歴任されました)の頃から長く続いていますが,大学院生の段階での交流は行われていませんでした.第一線の研究者の交流の活性化とともに学生も相互の大学から学ぶ環境を提供することを目標としています.

 プロジェクト初の会議としてプリンストン東京ワークショップ「Geometric Analysis」を2015年3月の第3週に開催しました.「Geometric Analysis」というのは幾何学の問題を微分方程式を用いて表現して研究する分野で,両大学で盛んに研究が進められています.(小平先生の調和積分論にも続くものです).今回は微分幾何のA. Chang教授とP. Yang教授,複素幾何のG. Tian教授がプリンストン大学のポスドク,大学院生をともに会議に参加されました.また両大学の大学院で学位を取得した世界で活躍する研究者もワークショップに招待し,合計27の研究発表と2つの入門的なミニコースが行われました.5日間の参加者は90名を超えました.

 2日目の夜には数理科学研究科で歓迎会を開催しました.偶然,R. Graham教授(プリンストン大学で学位を取得され現在はワシントン州立大学)の還暦祝いを兼ねることになり,大学院時代の友人のスピーチを含んだ大変和やかな会となりました.

 思い返せば,私がプリンストン大学を訪れるようになったのは京都で行われたシンポジウムで C. Fefferman教授に私の発表を聞いて頂いたのが始まりでした.今回はFefferman教授とともに共同プロジェクトのリーダーとなり,若手研究者を紹介し送り出す立場になりました.ワークショップでの研究発表を切っ掛けに大学院生の交流が始まることを期待しています.

プリンストン大学における滞在を終えて

派遣学生からの報告(2014)

工学系研究科電気系工学専攻 博士課程2年 松久直司

(支援共同プロジェクト「Sensing Skins, from Molecules to Smart cities」)

プリンストン大学に訪問し、互いの最新の研究について意見交換を行った。中でもSigurd Wagner教授、James C. Sturm教授の研究グループは、無機半導体薄膜トランジスタに関する研究を行っており、薄膜有機トランジスタの研究を行っている我々の研究と近く、活発な議論を行った。その中でどういう点で無機薄膜トランジスタが優れており、劣っているかを染谷研究室における有機薄膜トランジスタに関する研究と照らし合わせて理解することができた。この滞在がきっかけで共同研究として再度プリンストン大学を訪れる機会を得、非常に有意義な時間を過ごすことができた。

また、プリンストン大学では教員と学生が非常に密接に交流しており、研究室間の距離も近い点が非常に良いと感じた。本滞在が研究の在り方について考えるよい機会になったと思う。

最後に、プリンストン大の教員・学生の皆さんは非常に親切に我々を歓迎してくださった。ここで感謝を申し上げたい。

Matsuhisa

プリンストン大学にてProf. Sturm GroupのYasmin, Warrenと筆者